心の働き

胸に手を当てる男性今年のコラムから五臓六腑のお話を書いています。現代医学の解剖学と違い、機能を中心に内臓を考えるのが東洋医学です。
今回は「心」・・・心臓とその機能・・・について書きます。ここでは「心」は「しん」と読みます。精神的なこころとは別物です。

「木火土金水」という五行の考え方が東洋の古典でありますが、その考え方から言うと「心」は火に属します。火は文字通り熱い火ですから活動的で生命維持のための中心になる臓器のイメージになります。

そのため、心は古典で「君主の官」と呼ばれます。それ以外にも「生の本」「神明これより出ず」と言われています。「生の本」は、心臓が停止すれば命が尽きるからでしょう。「神明これより出ず」は、精神作用について述べているものと思われます。

五行論では、現代で言う精神を五つに分けて考えています。「魂神意魄志」の五つです。
魂は肝、神・・しん・・は心、意は脾、魄・・はく・・は肺、志は腎に当てはめています。その中の神は、最上位の気で意識的活動を支配しているとしています。精神的活動の中心ということでしょう。心の機能には精神的活動以外にも血脈をつかさどる働きが書かれています。

心臓が病むと、舌、顔の色、汗、脈に変化が現れると言います。ここで病むと書きましたが、これは、現代医学的な病気の状態ではなく、未病の段階になります。生活していますと、「今日はやけに舌がはれぼったいなあ」と感じる時や、「汗が出やすいなあ」と思われる事があるかと思います。

7694a7fd626516f517c791e71b44914f_mストレスの多い方は、まず動悸息切れから始まり、不整脈になり心臓が病んでいく道筋を通ります。鍼灸師が診断すると動悸息切れの前に、舌や顔色、汗、脈の状態が出ていることがわかります。まだ、未病のうちに治療をしないと心臓病になることはほぼ間違いありません。

既病・・現代医学で病気の状態・・になってからでは治療に時間がかかってしまいます。また、手術や薬剤を使うと体に大きなダメージを与えます。50代60代で大病する方は多いのですが、未病の段階で治療をしておくと丈夫で長生きすることができます。

東洋の養生法を実践している方は年齢が進んでも驚くほど若々しくしておられます。現代社会では季節の変化だけでなく、食物・水・空気・複雑な人間関係など病の原因が私たちを取り囲んでいます。これらの原因からの攻撃に対抗するには並大抵の力では足りません。

ウイルスとばい菌現代医学では内臓の機能向上を図る治療はありません。ほとんどの病気が内臓の機能低下がおおもとの原因になっています。自動車を定期的にメンテナンスするように、ご自分のお体を一度点検しメンテナンスしてはいかがでしょうか。

当院では、体の中心の冷えを取ると共に内臓の機能向上をはかる治療をしています。病気が慢性化すると治療に多くの日数が必要となります。急性期(病気になって早い時期)に治療されることをお勧めします。